読み終えた本。「ツバキ文具店/小川 糸

 

 

表向きは文具店だけど、手紙の代書屋も兼ねているお店の店主、鳩子のお話。

 

代書の手紙が素晴らしいこと・・・

世の中にはこんな手紙が存在するのか。こんな伝え方があるのか。と社会勉強にもなる笑

 

お悔やみ状、離婚報告、絶縁状、亡くなった人からのラブレター、など伝え方が難しいお手紙を誰も傷つけることなく、かつ良き思い出を込めて作り上げる。

(特に離婚の報告は、別れた夫婦を応援したくなる内容で、世の中の離婚する夫婦はみんな送ったらいいんじゃないかと思った。)

 

本の言葉ひとつひとつが丁寧で、表現にもうっとり。主人公の丁寧な仕事ぶりに、なぜだか自分の中に秘めている乙女心が湧き出そうになる。

これは速読せずにじっくり味わい噛み締めながら読み進めていきたい本です。

 

最後のほうで出てくる"真実の手紙"からあふれでていた人間味にはめちゃ泣きました。

 

架空の世界なのにあまりに現実味が凄くて、小川糸がどういう人生を送ってきたのか何度も気になった。いやーー小説家ってすごいわ!

 

「叶うなら、私も愛するひとからもらって手紙で埋もれるようにして天国へと旅立ちたい」という一文ステキだったな・・♡(私は別に手紙もらいたいわけじゃないけどw)